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究極のベルベット素材でオーダースーツを作る
秋冬生地の中で「華」なのがベルベット。
別珍(ベッチン)と呼ばれることもありますが、触ると毛足を感じる
ちょっと特殊な生地です。
大谷翔平選手がベルベットで作られたタキシードを着ていたことがありましたが
華のある人が着るとさらに華のある雰囲気が出て、素敵でした。
ちなみに大谷選手が着ていたのは彼が契約しているヒューゴ・ボスのものだったらしい。
そんなベルベット。
表題に書きました「究極」という表現を入れたもの。
それはエルメネジルド・ゼニアのベルベット。
その名も「セレブリティ」というレーベルのもので、非常にきめ細かい毛足のもの。
私は過去に見たことがないレベルのベルベットでしたが、
「この生地を使ってスーツを作ってほしい」
というご要望をいただきました。
かしこまりました、とお答えして細かくご要望を伺い、採寸して承ったのですが
後から重大なことが分かりました。
「この生地は縫えません」
と工場から縫製拒否されたのです。
理由は
「あまりにデリケートすぎて、アイロンをかけると毛足が寝てしまい、アイロン痕が残ってしまうから」
というもの。
ご覧の通り、アイロン痕がくっきり……………
それから当店の協力工場様をあちこち当たってみましたが、皆さん同じ返答。
「熱を加えないと服作りはできないが、熱を加えると毛足が寝てしまうから作れない」
お断りされるのは至極当然だったのです。
でも当店は技術力の確かさがセールスポイント
「縫えませんでした」
なんて言える訳がない。
で、日本国内最高クラスの技術を持つ工場の工場長に直接かけあって、相談してみました。
すると彼は
「わかりました。
確かに困難な生地ですが、ウチなら大丈夫です。
縫えます!」
と力強く言って下さいました。
それから約1ヶ月。
どこにもアイロン痕がつくこともなく、また縫製不良もひとつもなく、
採寸し、指定したサイズに寸分違わず、キチッと仕上げて下さいました。
さすが国内最高クラスの技術を持つ工場!
本当はご注文を下さっていたお客様からご着用写真をいただいた上、
とてもよく似合っておられたのでご紹介したかったのですが、
プライバシーに配慮して掲載は控えさせていただきます。
このブログを読んで下さっている皆様の中で
「この生地で服を仕立ててみたいが、他店で断られた……」
とおっしゃる方がおられたら、ぜひ一度当店までご相談下さいませ🤗