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今年も社員研修旅行行って来ました(その1)

洋服屋にとって一年で一番、出番が少なくなる8月初旬。

この季節を利用して、今年も社員研修旅行に行って来ましたよ。
我々テーラー夙川組2名と、姉妹店の大阪オルボ・ビスポーク組4名。
合計6名で。

「どこ行こか?」

1ヶ月前のズーム会議で、全員で行き先などを相談したのですが
ホント言えば一番行きたかったのは長崎をはじめとする九州の旅。

でも数年前に大分〜宮崎〜鹿児島の旅に出たことがあるんですが、2泊から3泊しないと
スケジュールがこなせないんですねえ。
今回、8月1日、2日の2日しか日程が合わなかったので九州はちょっとムリやなあ、と。

あと山形の靴の工場見学も行ってみたかったんですが、同様の理由から今回は見送りました。
で、その気になれば日帰りも可能な


日本を代表する毛織物の産地 尾州の旅」に。


尾州って分かります?
愛知県一宮市を中心に、津島市、稲沢市、江南市、岐阜県羽島市など、愛知県尾張西部エリアから岐阜県西濃エリアを尾州と呼びます。

豊富な水量を誇る木曽川が染色に向いていたから尾州が毛織物産地として栄えた、という説がありますが、このエリアはかつて大いに栄えました。

ガチャマン景気】(ガチャマンけいき)とは、1950年(昭和25年)に勃発した朝鮮戦争朝鮮特需)を機に日本で発生した景気拡大現象である。「(織機を)ガチャンと織れば万の金が儲かる」といった含意から「ガチャ万」とも表記される。「繊維」「紡績」といった糸へんの付く漢字の業種が儲かったことから「糸へん景気」とも言う。
(ウィキペディアより引用)

特需に沸いた当時の一宮の風景

今や当時の面影はほとんど残っておりませんが、かつて日本の復興のシンボルとして栄えたこのエリア、今でも日本の毛織物の産地として名残をとどめております。

今回、当店でも人気がある尾州の毛織物工場を、まず訪ねました。

これです、この【ションヘル織機で織り上げた背広地】と書かれた創業:昭和二年の老舗が
作ったバンチブック。
ご覧になったことございます?

派手さはありませんが、実にしっかりと織られた生地で、いわゆる「仕立て栄えする」生地。
出来上がったときに
「あ、この服、いい仕立てだな」
と思わせる生地のことを「仕立て栄えがする生地」と言いますが、まさにそんな感じの生地です。


そしてションヘル。

ションヘルというのは、100年以上前に作られた織機のことで今では「低速織機」と呼ばれたりしますが当時は革新的なスピードを誇ったと思います。

現代でも現役で稼働しているションヘルで織っている現場、スタッフ全員で見に行きました。
                                   (長くなるのでつづく)